3/16-31 鈴鹿、四日市のケーブルテレビ局、CNS/CTYで放送している「レーシングスピリット」3月号でスーパーFJ鈴鹿に参戦中の岡本大地選手を特集しています。
「レーシングスピリット」は地域限定、加入者限定の放送であるため、見れない人も多いと思いますが、最近はサーキットで「いつも見ています」とお声がけ頂く事が増えて本当に嬉しいです!!
僕はこの番組の出演、台本製作、ナレーション、編集、そして取材選手やチームの選定などなどカメラ以外のほとんどの作業に携わっています。
3月のテーマに選んだ岡本大地選手はF1の前座で勝ってから気になる選手でした。実はF1の前座レースの時、実況担当で西コースパドックまで取材に行ったのですが、みんなバラバラに行動しているので彼に話を聞くことができずでした。
そんな彼がなんとポールポジションを獲得。そして、なんとレースでは勝負強さを見せ、F1の大舞台で優勝!!
彼に事前に話を聞けなかった事は本当に実況者として悔しい思いでした… しかし、彼は鈴鹿で既に優勝しているし、シミュレーターで腕を磨いてきたドライバーであること、レース経験がない中でも速さを見せていることは知っていて、その事を盛り込みながら実況したのです。
これまで松浦孝亮選手、塚越広大選手、松下信治選手、平川亮選手ら今トップカテゴリーで活躍する選手達がジュニアドライバーの時代に優勝してきたF1の前座。
今はスーパーFJになっていますが、昔も今もカート時代から有名なその世代でトップを走るドライバー達が優勝を飾ってるんですよね。
そういう意味では岡本大地選手のように全日本カートなどカートのトップカテゴリーに参戦せず、シミュレーターで鍛えてきた選手がこの大舞台で優勝することはエポックメイキングな出来事であり、F1を見にきたお客さんに是非お伝えしたい事でした。観客席も面白いレースに興奮気味だったのを覚えています。
なぜ岡本大地選手がシミュレーター出身のドライバーであるかを知っていたか。それは彼がツイッターなどのSNSや自身のホームページで、しっかりと自分のレース活動をレポートしていたからです。そして、鈴鹿サーキットが記入をお願いするプロフィールガイドも熱がこもっていました!
時間の都合で会えなかったけど、伝わってくる思いがありました。ブログでのレースレポートも簡潔にまとまっていて分かりやすく、何よりホームページ全体の見せ方がシンプルで上手。ジュニアドライバーにはそんなに沢山のファンがいるわけでもないので、レスポンスも少なく、発信に意味があるのか疑問に感じて途中でやめてしまう人も多いと思います。しかし、彼はしっかりと発信を続けていた。そして大舞台で優勝した。このインパクトは絶大でした。
後に岡本大地選手と話をする事ができ、鈴鹿に住んでいることを知りました。機会があればレーシングスピリットで取り上げさせて、とお願いしたのですが、今年2018年は資金をSRS-Fの学費に集中するため、レース活動は休止するとの事…
てっきり今年はレースに出ないんだと思っていたら、ウエストのスーパーFJでテストをしているというSNSの記述を見つけ、駄目もとで聞いてみたら、ウエストからスーパーFJに出ると。さっそく開幕戦の取材をお願いしました。
岡本選手のマシンはウエストレーシングカーズが作った2017年モデルのスーパーFJ「ウエスト17J」。ウエストは鈴鹿を代表するレーシングカーコンストラクターですが、先代の「ウエスト07J」は2010年にTokyo R&Dの「RD10V」が出てきてから劣勢になり、スーパーFJの活動を縮小。ウエストはVITAやCS2のワンメイクレース車両製作が中心となり、長年スーパーFJでは新車を作ってはいませんでした。
今年、岡本大地選手はウエストの新車開発ドライバー兼任で出場することになったのです。開発という責任がありながら、まだ彼19歳ですよ…
熟成した「RD10V」やミストの「KK-S2」に比べたら、ポテンシャルは保証されていないマシンでのレース。取材した開幕戦は厳しいレースになりました。
僕は別イベントで現場に行けませんでしたが、映像を見る限りでもかなり厳しい状況は分かります。腕は証明済の岡本大地選手をもってしてでも、今年は表彰台に乗れたら御の字かなぁと思うほどでした。
しかし、今日、第2戦で優勝したとの一報が! ああ、この優勝したレースを撮影したかった 泣 とタラレバを言っても仕方ないですね… 取材させて頂く時、うまくいくレースもあれば、そうでない時もあります。
でも、優勝したという一報を聞いて、逆に苦労しているところを撮影し、番組にまとめられたのは良かったのかなとも思います。こんなに早く勝つとは想像もしていませんでした。岡本大地選手とウエストの勝利は偉業だと思います。その偉業を感じるためにこの番組が活きてくるのではないか、そう思います。
過去には劣勢だったウエストの先代モデルで松下信治選手が表彰台に登ったこともありましたし、速いドライバーは何に乗っても速いことは昔からの定説です。岡本大地選手は今年、SRS-Fを受講しているので、遅咲きながら、松下信治選手らの後に続く選手に成長して欲しいなと思っています。
彼は去年、F3の世界一決定戦「マカオGP」を見に行っています。自分の歩むべき道を先を見越して肌で感じておく。こういう部分も素晴らしいと思います。頑張ってほしいですね!!
「レーシングスピリット」の3月号は4月1日以降に「じもテレ」というケーブルテレビの動画サイトにアップされますので、ご覧いただければと思います!
岡本大地選手、優勝おめでとう㊗️
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